教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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もう一つの論文問題
 「もう一つの論文問題」というのをご存知でしょうか?(個人的には、もっと問題を指摘できますが、どのようなシステムでも問題はあって当然なので、受け入れながらやっていきましょう)
 一つ目の論文に関しての問題は、「日本発の優れた科学論文が減少し、日本の研究開発力の低下が叫ばれている」ことです。
 そして、もう一つが「論文誌の購読価格の高騰と大学予算の縮小によって、図書館を通しても参考にしたい論文も、場合によっては自分の書いた論文も読めない」という笑えない事態が起きています(神戸大学でもおなじです)。 
 世界の科学論文雑誌の市場規模は約1兆円らしいです。論文掲載時に、数十万円程度を支払うことを求められることもありますし、研究は、するのも、発表するのにもお金がかかります。(大変なのよ〜) 逆に大学などの図書館が、ある出版社との間でかわす購読契約も数百万円レベル(もっと高いの)も当たり前のようです。科学振興に各国が力を入れて、発表論文数が増えていること、主要な出版社が限られていること、どんどん雑誌が増えていること、色々な要因があるようですが、年8%での購読費の値上がりが起きている研究分野もあるらしいです。それに、予算削減の波にさらされている大学が対応できるはずがありません。インターネット時代になり、雑誌の流通費用は下がっているはずなのに、上昇は止まっていないことに疑問もあります。科学論文の出版も、複数のビジネスモデルが存在し、よくメールでどこどこの論文に投稿を勧めるようなのが入ってきますが、ほとんどの雑誌は、投稿時に投稿料を求められます(気をつけてください)。オープンアクセス型の雑誌も増えていますし、ある種フェアだとも思いますが、あれは投稿掲載料がしっかりと取られることで成り立つビジネスモデルです。論文数が業績になるので、どうしても論文化することを求められる(そして、それをお金である程度解決しようとしたりする場合もある)のですが、(ひと昔前の一流の研究者が良くおっしゃっていたように「そんなジャーナルに掲載すると、業績に傷がつくよ!」の意見のように)本当に重要なことは何なのかを見つめなおす時代が来ていることに、みんなで気づくことも必要なのかもしれません。これには、何を評価するのか?の評価の規準を変えないといけないかもしれませんが….(評価の規準のインパクトファクターIF自体も、その仕組みを利用して、雑誌の価値を上げる運動がされていることは、みんな承知していますので、まあ何を信じたら良いのやら???)。「IF=TVにおける視聴率」のような印象さえあります。UMINの研究登録のように、結果もそこに書けば、それで(他の人が)同じ研究をしなくても済むようなシステムをキチンと作れば、無駄な研究は減らせますし、俗に「しょうもない研究」と呼ばれる研究をしたら、ペナルティーが付くような厳しいシステムも近い将来に導入されるのが良いのかもしれません(昔、お酒の席ですが、〜なんてIFが”マイナス”〜点でしょう!と宣う先生もいらっしゃいました)。何か、(良い研究成果を発表して、世の中に貢献することよりも)論文に掲載すること自体や、先のビジネスにつながる特許申請などをすること自体が「目的」になっているようにも感じ取れ、人間とは難しい生き物だなあ〜と思います。でも、国や指導者が、そのように先導するので、価値観がそうなるのも納得できます。
 科学論文の出版社が一種の情報産業(マスコミと変わらないようなのもあるんじゃないかと勘繰ります)として台頭し、ビジネス・金儲けとしての一面を強く前面に出して来ているような印象です。これは、利用する方の責任もあると思います。学会なんかもおなじような傾向がありますが、一旦「利権(のような物)」が発生すると、それでやめられなくなるのはどこの世界も同じです。オリンピックが、どうもあまり美味しい利権ではなくなると、おそらくそれほど獲得競争がなくなりつつあるようですが、同じことがおそらく「科学」の世界にも訪れると予想します。賢く、先を読みながらなんでもやっていかないといけないと思います。(参照;日経新聞) ty
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