教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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Regression of atherosclerotic lesions
 先日の研究会で、T大学のM先生と動脈硬化の話しをしました。M先生は、炎症と疾患(循環器疾患や肥満)では大家であるのですが、動脈硬化の退縮は(特に人では)しないと考えておられました(マウスではそういうモデルはあることを前提にした上でのご意見です)。動脈硬化巣のマクロファージや樹状細胞に関してのM先生の率直なご意見をお聞きすることができて、私にとっては大変ためになりました。
 我々の研究グループは、現在「腸から動脈硬化を予防する」という取り組みをしていますが、もう一つの大きなテーマは「動脈硬化の退縮」です。急性冠症候群にて緊急で入院される患者さんは、おそらくculprit lesion以外にも不安定プラークを複数お持ちである可能性があり、狭窄の程度によらずカテーテル治療で治療困難な(有意狭窄病変を含めた)不安定プラークこそ、その時期に徹底的に治療をすべき(退縮させるべき)であると考えています。有意狭窄にばかりに目が行ってしまう「狭窄信仰」を止めて、考え方を変えたいと心から思っていますが、自分の力不足で、研究を10年以上つづけても未だにそのような治療法を提示できていませんし、退縮の機序にも少ししか迫っていません。誰でもできるスタチンを処方する程度で、患者さんに何も特別な治療法を提供できていないし、大勢の狭窄信仰の循環器内科医に対しても、強く意見を言える立場にはありません….悔しいですが、それが現状です。今の大きな目標の一つは、まずは「動脈硬化の退縮の機序を解明すること」です。機序が解明できれば、それに介入する治療法が想定できる可能性がでてきます。動脈硬化の論文を調べてみてください。動脈硬化を抑制する(抑制の機序を解明するような)研究は数多くありますが、退縮の機序が書いてある論文は非常に少ないというのが現状です。
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 7月10日・11日は、東京で日本動脈硬化学会が開催されます。無理というのは簡単ですが、困難であるから余計に挑戦したくなるのは研究者の性でしょうか? 動脈硬化の退縮を目指した研究が増えることを願っていますし、勉強して是非それを達成できるきっかけがつかめれば良いのですが…. ty
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