教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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破壊的技術とイノベーションのジレンマ
 フィルムカメラからデジタルカメラの時代変遷の中で、富士フィルムは生き残り、コダックが経営破綻した話しをご存知でしょうか? ある市場に、今までの技術を全く根本的に変えたり、否定したりするようなイノベーションと言える技術が出現した(この場合は、デジタルカメラの登場によりフィルムという物が不要になっていく)時の対応方法を間違うと、存在まで危うくなるほどに失敗してしまう例が現れます。それが、コダックの例です。
 一旦確立して習得したそれなりの技術であれば、それに頼って安泰で生きていきたくなります。だから余計に、イノベーションの波に呑まれて、破綻してしまうということです。
 さあ、それでは富士フィルムはどのように生き残ったのでしょうか。実は、現在の富士フィルムの主力商品のひとつはなんと化粧品なのです。
 肌の弾力を維持する役割を担っているコラーゲンは基底膜と真皮に張りめぐらされている繊維状のタンパク質で、加齢や紫外線によってダメージを受けると、切断されたり結合したりして傷ついてしまい、肌のハリが失われ、シワや色素沈着(シミ)の原因となってしまいます。
 実は写真フィルムの主原料が『コラーゲン』であるのです。この事実に着目して、写真フィルムの研究で培ってきた自社の技術こそ化粧品開発に生かせるのではと考えるようになったわけです。
また、肌になにが良いかという研究を進めると、富士フィルムが長年研究してきた写真の色あせを防ぐ『抗酸化技術』や写真用粒子の細かな機能や安定性を高める独自の『ナノテクノロジー』が、コラーゲンを守るために有効な成分の選択や機能アップに応用できることがわかりました。
これら写真フィルムの技術を応用して開発したのが、現在発売している「アスタリフト」という化粧品のようです。自らの強みは何か?ということを冷静に考えて、次のイノベーションにうまくつなげた例だと思います。index_img_03.jpgindex_img_04.jpgskin.jpg

 我々の研究も、これと同じで、「これが自分の強み」というのを理解して、どこで勝負するのか(何をどうしたいのか)を冷静に考えながら、進めていかないといけません。そして、同じテーマでずっと研究し続けることは困難な時代になっていますので、それを応用してどのように発展させていくかを常に考えて進めていかないと、すぐに止めざるを得なくなります。まあ、企業の存続ほどではないかも知れませんが、研究を続けていくというのも厳しい時代です。
 がんばって続ける中で是非、『破壊的イノベーション』を起こして、自らがもうその分野の研究をしなくてもよくなるくらいになれば、その社会貢献度はたいしたものと評価できます。イノベーションを起こせるように、がんばりましょう。
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