教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野の近況報告及び教官のつぶやきブログです。興味のある「カテゴリ」(左側リスト4個目)をクリックしてみて下さい。
プロフィール

toyamash

Author:toyamash
神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野の近況報告ブログです。↓の興味のある「カテゴリ」をクリックしてみて下さい。



最新記事



月別アーカイブ



カテゴリ



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



QRコード

QR



中国という国 
 中国が色々な場面で取り上げられることが多いと感じます。尖閣諸島問題、海軍艦艇の射撃レーダー照射問題、PM2.5の公害問題など日本も直接かかわる問題も多いのが現実です。今日の新聞にも、輸出額と輸入額を合わせた貿易総額が、米国を抜いて世界一になったという記事がありました。私は、中国への投資をしだしたのをきっかけに、かなり意識するようになり、留学時にアメリカの(安い)商品のかなりのものがMade in Chinaであることを目の当たりにして、さらに意識するようになりました。ラスベガスで子供がゲームをして貰う人形(ぬいぐるみ)も、ハリウッドで販売されているキーホルダーもMade in Chinaが多いです。一昔前は、世界の工場と言われましたが、経済発展と伴に消費国としても重要なウェイトを占めるようになってきました。まあ、世界の4人に1人が中国人であるので、色々な場面で影響力が増加するのは当たり前と言えば当たり前です。対外的には強い対応をしている(一種の強がりの)ように見えますが、内政に関しては社会主義市場経済と共産主義の矛盾とそれに伴う格差の問題があり、苦しい部分も明らかになってきています。
 就職や仕事に関して、大学は出たものの希望の職業には就けず、安い給料の仕事を転々とする高学歴ワーキングプアが増加している問題が、新聞で取り上げられていました。中国で高成長の恩恵にあずかれない「アリ族」と呼ばれる若者が増えているようです。思うような職業に就けず、薄給で転職を繰り返し、アリのように働き、家賃の安い大都市郊外で集団生活するから、このように呼ばれるようです。日本も、同じような現象が話題になっていましたし、現状でもあると思います。ちなみに、地方からの出稼ぎ労働者である「農民工」は窓のない地下で暮らすため「ネズミ族」と呼ばれるそうですが、中国の都市で起こっている格差問題の1つのようです。 
 比較的高成長の中国でなぜ、「アリ族」が増え続けるのか。2012年の大卒者は過去最高の680万人(前年より20万人増)。11年の大学数は2409校と10年で倍増。雇用拡大を上回るペースで大卒者が増え、アリ族も増えているのが現実のようです(大学卒業と同時に就職できる内定率は直近で約7割。中国経済の減速もあり、就活戦線はさらに激化している)。なんとか就職できても、希望にそぐわない仕事に不満を抱く若者は転職を繰り返し、研修してもすぐに辞めてしまうため雇用側も不満を抱いており、最近は新卒より経験者を求める傾向が強まっているそうで、就職がさらに厳しくなる悪循環に陥っているようです。(日本でも3年で4割の人が会社を辞めるというデータがありましたが…)
 しかし実は、中国が共産党の一党独裁政権であることが、このような不満を抱いた「アリ族」を増加させ、不平等を生む原因になっているようです。給料面や仕事の内容で優遇されており、様々な保証のある(共産党関連)国有企業に就職すると色々と得をする現実があり、就職においても親や知り合いのコネが、大きく影響を及ぼす…というのが現実のようで、やはり体制寄りの考え方が主流で得をするシステムになっているようです。さらに、ワイロも横行し、利権にはワイロが付き物であるというのも現実であるような記事を多く見かけます。例えば、中国の戸籍制度には農村から都市に人が流入し、人口が爆発的に拡大することを防ぐ機能があり、自由に都市に移り住む事ができないようになっているようです。都市の戸籍を持たない地方出身者は都市部で家や自動車を買えず、医療サービスや教育も受けられないようです。国有企業には毎年、都市戸籍の枠が割り当てられており、就職人気で国有企業が上位を占めるのは、給料の高さや雇用の安定性に加え、戸籍を取得できる魅力が大きいようです。
 昨年夏から秋にかけての反日デモは、若者の就職を巡る不満と不安のはけ口になったとの指摘がありますが、中国の若者は厳しい競争(しかも不平等が暗躍する競争)の中で生きていかないといけない現実にさらされており、体制側に入れない若者が増えるほど、膨らむ不満が増加しているわけで、そのはけ口が、体制側に向かうと国のシステムが破綻する可能性もあると思います。共産社会主義システムの限界だと思いますが、我々はこの現実を学び、人間の弱さ、未熟さを感じ取って「自分」や「日本」を見つめ直すと良いと思います。(日経新聞の記事を参照)
スポンサーサイト