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“新興国の手法”と“先進国の手法”
 「シャープ」や「パナソニック」など日本の電機メーカーの危機に関しては、「特許や技術ノウハウなどの知的財産の経営戦略への転換がうまくできなかった」ことが一因であると考える人が多いようです。日本企業の国内外の特許出願数自体はかなり多いのですが、それでも勝てない現実があります。この「特許の数で勝負する」戦略が“新興国の手法”であるからのようです。すなわち先進国は、この手法では勝てないことはある程度分かっているのに、そのやり方しかできていないことが大きな問題のようです。サムスン(韓国)は、「相手から模倣と責められた場合に、多くの特許でクロスライセンス(相互利用)契約に持ち込み、製品を低コストとそれなりの製品力で圧倒的に安く造り続けて相手を負かす戦略」をとっています。このクロスライセンスに持ち込めば、特許利用料を最大でも製品の5%程度まででカバーできて、新しい技術を安価に利用できます。これが、新興国の手法です。 
 一方、アップルは、「独自のデザインや使い勝手の部分は特許権や意匠権で固めてライセンスせず、模倣されれば訴訟で争う。そして、製品の動きを担うソフトウェアをブラックボックスとして開示せず競争力を保つ」戦略をとっています。一方、端末製造は新興国に外部委託して安く製造し、同時にその情報(ノウハウ)は外部に開示している状態にして、部品をさらに安く調達できるようにするようです。そして、端末機器の付加価値の40〜50%をアップルがとり、組み立て会社は1.5%しか得られないようにしているようです。
 日本の技術力に関しては、本来このアップルのような"先進国の手法"で知財はうまく保護しながら売っていかないと勝てないことは、周知の通りであるはずです。しかし、その分野の専門家が少ないこともあり、ノウハウも人材もアジア諸国にうまくさらわれていく現実があるようで、独自性をだせる部分は守らないといけない訳です。(参照;日経新聞の記事)
 このサムスンとアップルの戦略の違いと同じ様なことは、色々な場面や状況で存在するように思います。例えば、研究分野の成果の出し方でも、「あまりImpact factor(IF)の高くない雑誌に、たくさんの論文を掲載するサムスン流と、IFの高い雑誌を狙いにいくアップル流の違いがある」と言えるかもしれません。どちらで、成果と評価を得るかは戦略と考え方の違いで、どちらが良いのかというのは断定できません。私自身は面白いと思う(他人から見ると少し変にも思えるような)事をやりたい方なので、うまくいく保証はありません(むしろ可能性は低いと思います)が、できる限り「難しい方」を選択したいと思っています。みなさんはどうでしょうか? ty
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