教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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専門という名の逃げ道 タコつぼの中にいる快適さと視野狭窄になっている残念さ 
タイトルの中で、今の医療における問題点を書いてみました。

 基礎研究(科学)と臨床医学との関わりをもっと広い視点で見られるようになりたいと常に考えています。 最近の科学の発展は著しく、さらに速いので、なかなかcatch upするのは困難なのですが、狭い見聞では全くglobalな視点を持てませんので、時々(常に?)『科学』を学び直さない(続けない)といけないと思っています。 なぜ、そのようなことが必要かというと、一昔前に比較して、社会構造の変化によって革新的な技術が、非常に短期間で研究に使用できるレベルになり、それがまたすぐに医療の診断や治療に応用され、臨床の現場に現れる時代になっています。 
 数年前までは、我々のよく使用する生活習慣病の薬剤売り上げが、世界の薬剤費の上位10ヶの中のかなりを占めていました。循環器内科としては知らなくても、使わなくても、最近は「抗体医薬」の売り上げが上位10位のうちの6つを占める薬剤になっており、医療費を圧迫し、近い将来の日本の医療制度・保険制度を崩壊させる危機が迫っています。 そういう抗体医薬や分子標的薬を意識して学ばないと、知らない状態で時間が過ぎてしまいます。 循環器内科の中でも、将来の日本の保険制度を破壊させるような事象がでてきていますね。 イケイケドンドンの人が多いので、どういう形で歯止めがかかるのか?かからないのか?は不明ですが、目の前の困っている人を助けたいという気持ちは、確かに尊重しないといけません。 
 「宇宙ゴミ」が問題になっているという新聞コラムがありました。人工衛星の衝突も含めてdebrisが増加し、とんでもない速度で飛んでおり、人工衛星を打ち上げる際に、衝突の可能性が高まるということらしいです。国連から「スペースデブリ低減ガイドライン」というのもでているそうで、これ以上デブリを増やさない対策と費用を誰が負担すべきかという議論がされているようです。
 科学というのは、「夢」を持って進んでいく方向があり、今、何を目指すか…というおそらく自分の目の前の課題に一所懸命に、がむしゃらに取り組むことになりますし、それが正当化されます。しかし、そのことが将来どうなるか?良い方ばかりではなく、悪い影響も予想しながら進めるだけの先見性を持っていないと、宇宙デブリや核・原子力発電のようになります。
 医療も同じかと思います。最新医療・先端医療は大切ですし、治らない病気を治すことを目指すのは当然の姿です。しかし、医療費高騰・長寿化・少子化・経済格差に依存した医療格差問題の発生など、様々な必然的に起こる問題を想像しながら進んでいくことも、重要かと思われます。歴史から考えればわかることですが、今を考えることに一所懸命になり、未来を考える余裕がなくなるような、そんな時代になっている…という自覚が必要なように思います。

 4月に入ってから『現代生命科学』(編集;東京大学生命科学教科書編集委員会)という本を一通り読み、もう一度循環器の医療を科学的に考えるようにしたいと思いました。一介の循環器内科医が、大それたことは言えませんが、(いろいろな意味で)時代の先取りをできるような考え方を持てるように努力したいと思っています。

真実は、偏見のない心で探し求めている人にとっては見つけやすいものです。(ナポレオン・ヒル財団から送付されるメッセージ参照)

学問と思いやりが両方とも心になければ、人として大成しない。 荀子

みんなが同じ考えをもつことは、理想的なことではない。意見が違うから社会は成り立ち、そして面白いのだ。 マーク・トウェイン

 いろいろな人の意見を聞いて、自分なりにしっかりと学び、じっくりと考えて、真摯に進んでいくことが大切なように思います。 ty
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