教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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循環器内科の日常を考える
 循環器内科は、立場は違えど数十人の医師が所属するかなり大きな集団で運営されています。診療も研究も多様化し、さらに専門化している現状があり、システムも含めて昔の考え方ではうまく回りません。それぞれの分野で、各人ががんばって専門性を持って研究・診療・教育に携わり精進していることは分かっていますし、それをやりながら社会貢献する…それが目的の組織であると思います。しかし、気になるのは...専門を学ぶためとはいえ、あまりにも大学や大学病院としての良いシステムや他の病院では持てないであろう良い勉強の機会をうまく利用できていない人がたくさんいる...ということです。できれば、循環器内科としては、循環器医というよりは、内科医としての考え方も身につけて欲しいと考えていても、どうしても細かな専門分野を学ぶことに主眼を置くために、様々な学べる機会を無駄にしている人が多いと思います。みんなと同じ行動パターンをとる方が目立たないし、楽かも知れませんが、普通の行動パターンであればあるほど、普通の人になってしまいます。是非、(わがままではなくて、より高いレベルを維持したり、目指したりするために)自分はこうしたい…というように周りの人とは異なる行動パターンの人がもっともっと出て来てくれることに期待したいと思います。
 大学病院にいると、この専門性が高いが故の弊害が色々なところで見えてきます。最も気になるのは、「私はXXの専門なので、OOは診ません(診れません)」という発言です。専門家としてやる方が、楽なのはみんな実感しているでしょう。ほとんどの人は、楽な方へ進みたくなるので、いた仕方ないことですが、世の中的にはそれは求められていませんし、これからの社会に適応していません。これに関して思う事は、大学病院だから…という理由で確かに我々は循環器疾患以外をみることはあまり求められていませんが、外来であれ入院であれ、主治医(担当医)として専門以外のことも患者さんから求められれば、分からない中にも調べるなりして、いくらかは医療として提供(内科医として対応)すべきかと思います。大学病院で教育を受けた人(の一部の人)は、何を勘違いしているのか、市中病院へ行っても、同じ様な残念な対応をしてしまう…ということを聞いたりします。何度もいいますが、そんな医師は、あまり求められていないということを自覚すべきです。幸い、当循環器内科の関連病院は、循環器内科医のみならず内科医としてのトレーニングができる環境を維持していただいている病院が多く、循環器疾患以外の病気もある程度診ることができる人が多いので、そういう言葉を発してしまう医師はほとんどいないと思います。おそらく、そういう言葉を発してしまう医師は、診ることができない(そういうトレーニングを受けていないので、本当に診れない)のだと思います。逆に気の毒なようにも思います。楽をすると、必ずそれ以上に後悔することが起きる…というのが実状ではないでしょうか。若い時は(のみならず、常になのかもしれませんが)、苦労は買ってでもすべきです。いつも言いますが、「困難な方の道を選んでください」。
 私は、1月最終の木曜日は色々な勉強ができて、中々充実した1日になりました。「教え方」…を勉強するために、朝からSG内科のモーニングカンファレンスに初めて参加させていただきました。最近、学生講義で今まで以上に基礎知識が身に付いていない低学年の医学生に専門的なことを教えるようになり(みなさんご存知だと思いますが、新聞でも話題になる2023年問題…というのがあって、全国の医学部の教育で72週間の実習時間確保のために、すべてのカリキュラムが前倒しになってきています。)、教え方・伝え方を意識する(せざるをえない)ようになってきました。循環器内科は昔から教育をかなり意識した科でしたし、学生や研修医からもある程度の評価はいただいているのですが、常により良い物を目指していないと時代遅れになっていまいます。研修医・学生が成長できるための環境を提供できるように、色々なシステムの再考の時期かと思っています。
 SG内科カンファの後の、5年生が参加する今年度最後のチャートカンファレンスは、いつも通りのものでした。今までの問題点は、チャートカンファレンスが学生と研修医指導の場である…ことを意識していたので、専門医や専門医を目指すクラスの医師が参加しても…?と思ってしまう医師が多かったように感じています。来週から少し変えてみようという取り組みをしていきます(うまくいくかどうかはやりながら考え、変えていきたいと思います 何でもやってみなはれ…の精神が大切だと思います 失敗も重要です)。今までチャーカンに参加していなかった医師にも有用な(意味があると思ってもらえる)システムを導入して、色々と改善したいと思っています。さらに、今までと同じような木曜日の“回診”も一旦はより良いシステムにするために中止となっています。それぞれのDr.が診療(患者さん)と教育(学生と研修医、さらにはすべての指導される側の医師)を意識した、新しいシステムを導入できれば、より良いものに変化させることは可能だと思いますので、これも再考中です。
 今年度は医局会の15時から医局会開始までの30分の時間で開催してきたチューベン(のための)講義ですが、今回はM先生が、「(心電図では)V2が最も重要な誘導である」「心臓の中心はどこか?」という、変わっているけど大変勉強になる話しをしてくれました。M先生は大学院生にも関わらず、循環器内科のBSLの講義を担当してくれていますが、まあ循環器内科学を真摯に「ユニーク」な視点で見つめている先生であると感心します。是非、関連病院の研修医を含む先生方にもお話を聞いていただく機会を作りたいと思いますので、楽しみにしておいてください。人とは異なる視点で物事を見る(見ることができる)ということは、研究を意識するとかなり重要な才能です。是非、伸ばして「自分の道」を突き進んで欲しいと思っています。
 その後の医局会では、R先生の研究GのY先生に、基礎研究のネックル4の話しを非常に分かり易く聞かせてもらいました。時には、こういうシグナルを含めた話を聞いていないと、私も科学者ではなくなってしまう…時にこういう勉強もしよう(論文も読もう)と反省するような今日このごろです。昔の貯金だけでは生きていけないけど、少しは理解できるのはそのおかげだと思いますし、色々な勉強は人生の幅を広げるためには必要です。残念なのは、臨床Gの先生の参加が非常に少なかったことです。その中で不整脈GのN先生が良い質問をしてくれたのは、大変よかったです。忙しい中でも、自分の専門以外の話しを聞こうとする姿勢は、将来も必ず良い方向に向かって作用すると思います。
 最後は、2〜3ケ月に一度木曜日の夕方に開催されている「Kobe Medical Grand Round」に出席して、腎臓内科と糖尿病内科の先生の講義を受けました。先日、はれて総合内科専門医になった私は、その相応しくない称号に、かなりの恥ずかしさを覚えており、大いに反省をして、循環器以外の内科の勉強を恥ずかしくない程度にはしていきたい…と思い直した…という経緯があります。大学は、注意を払って自ら時間をうまく使えばたくさんのことを勉強できるシステムが本当に数多く存在しています。是非、人とは異なる考え方・行動パターンで、自らを伸ばすようにもっていく…そういう時間であると考えて、(特に)大学に所属している時は、色々な物に参加することをおすすめします。視野を狭くすると…普通の忙しい専門医にはなれます…が、世の中が求めているのは、その専門性の上にさらに全体も見渡せる見識を持って診療を実践できる医師ではないでしょうか? 自分が良く考えて、行動を決めていけば良いとは思いますが…。 ty

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