教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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メメント・モリ
 昨日は神戸内科医会に参加して、緩和ケア・ターミナルケアの専門家のお話を拝聴しました。やはり、同じ“死”を意識して向き合う仕事でも、癌を主に扱う緩和ケアの専門家と心筋梗塞や致死性不整脈を扱う我々との考え方/対応がかなり異なるということを再認識しました。いずれにしても、考え方の異なる人のお話しをお聞きするのは、自分のやり方を見直すという意味でも、かなり勉強になります。印象的だったのは、「自分を、患者さんを映す鏡のようにする」と言われていたことです。「患者さんの体質・生活習慣・考え方を変えよう」とすることに躍起になっている我々の仕事と反対だなあ…と(必要だからやっている…とはいうものの)。
 先日、NHKスペシャルで“復元納棺師”を取り上げていました。その方は、昨年の東日本大震災で亡くなられた方の、損傷のある御遺体をボランティアで修復されており(復元ボランティアと言うそうです)、その活動を取材して番組にしていました。遺体から臭気をのぞき、硬直を解き、表情を整え、身体の損傷を修復・再現し、化粧もして、できる限り生前に近づけるという仕事だそうです。命の尊さに加え、大事な別れと家族の再出発の場面を陰で助ける仕事であり、「心」を扱う仕事として、精神的にも肉体的にもかなり大変な仕事のように感じました。我々内科医も同じ、「死に関わるマネージメント」が仕事の一つであるので、これも色々な意味で勉強になりました。(ここで取り上げられた方の著書に「おもかげ復元師」というのがあり、以前に書評で紹介されていて、気になっていました。)
 最近は、“移植医療”“再生医療”などの発展と、“延命治療”の意義を考えるというようなテーマがよく取り上げられることもあり、メディアも含めて、“死”と“生”をもっと考えましょう…というような、すべての人がそれを意識する機会が増えています。良いこととは思いますが、プロとしての医師や医療関係者は、もっともっと真摯に「メメント・モリ」(memento mori;ラテン語)する機会を増やさないといけないのかもしれません。

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