教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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Y先生の最終講義
 3/19(木)の医局会で、K総合医療センターに出張されるY先生が最終講義をされ、その中で今まで読まれた本の一部を紹介され、医師・社会人として大切なことを教えていただきました。私が教官になってから、8年になりますが、最初から同じ部屋でY先生の横で、循環器に関することはもちろん色々なことを教えていただきました。教官になって、最初の頃は時間が無く余裕の無かった時期もありましたが、Y先生を見習って、時間を見つけて読書をする習慣を復活させました。教官室で、Y先生と医学以外のことで色々と話しをして、時に議論する機会もありましたが、本当に勉強になり、色々と学ばせていただきました。講義の中でも読書を奨めておられましたが、極めて狭い世界で生きる医者であるからこそ、本で様々なことを学ばないと、偏った成長しかできないと思います。
 昔に比べて、いわゆる医学としての学問や専門医教育なるものは、より洗練化されて提供される時代になったと思いますし、それができる医師も増えています。しかし、その分、人間教育の機会が減っているし、それができる指導医が減っているように感じることがあります。専門化すればするほど、専門医としてサービスを提供する医者の方が楽ですので、それを選ぶ人が増えるのだと思います。Y先生の言葉で言うと「『タコツボ化』して、自分の殻に閉じこもって、何かを一所懸命して、視野狭窄になる方が、自分の世界でのみ生きているので、ストレスも少なく、自己満足はし易い」ということです。研究などの何かをとことん極めようとしている時期に、このような環境で仕事をすることは、実は幸せなことであるとは思います。しかし、特に内科医のような全体をmanagementする立場の医者として働くことを求められる場合に、そのような視野狭窄(のまま)の人は、求められていると思いますか? まあ、そう思うのなら、それで生きていけば良いでしょう。いずれ、いる場所がより狭まり、求められていない…ということに気付くと思いますが、もう遅いことにも気付くことでしょう。

 ある番組で、「人は、持った(手に入れた)力は使いたくなる。それが大きな力であればあるほど、それを目先の(自分たちの)利益の為に、将来のdemeritは考えずに使いたくなる」というような歴史的事実を紹介していました。是非、上に立つ立場の人であればあるほど、この事を意識して、目先の自分にとっての都合や損得を重視せずに、ある物事をやる・やらない…の判断をしないといけないと、心の底から思います。私も、敢えて「効率化」よりも、「どうあるべきか」を意識した判断をするように心がけていきたいと思います。Y先生の講義は、こういうことも再度意識させてくれる、大変心に響くものでした。この講義を聴かれた人は、Y先生のメッセージをしっかりと受け止めて、考え方や行動を変えていかれることと思います。また、次に行かれる病院でもご活躍をお祈りしています。 ty

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社会人・仕事・大人(Part 3)
 あらゆる仕事において、当事者意識を持ち、主体的に解決策を模索し続けることができるかどうか? 
 当事者意識とは、「何らかの物事やプロジェクトに参加している当事者である、関係者である、という意識」のことですが、社会の中では、「問題意識」が低いと「当事者意識がない」もしくは「責任感がない」と評価されたりします。いかに、その人(仕事を頼む上司・一緒に仕事をしている同僚や後輩)の立場で“自分の問題”として取り組めるのかが常に求められています。
 すなわち、自分の周りに居る人(上司であれ、同僚であれ、自分の近所で一緒に働く人)の気持ちになって、その人は自分にどうして欲しいのかを考えながら仕事ができれば(そして、できればその期待を少し上回る工夫ができれば)、あらゆる仕事は旨くいきます。仕事は基本的にはある程度の役割分担はあるかも知れませんが、その周辺の同じような立場の人であれば、work sharingして進めているはずです。逆に、たったこれだけですが、これができない人は「仕事をしない人・できない人」の烙印をおされてしまいます。とくに、立場が変わったり、仕事場が変わったりした時には、これを意識して注意して取り組みましょう。 ty


社会人・仕事・大人(Part 2)
大人としての自己表現・自己主張は、うまくできていますか?
 よくあるのですが、やってはいけない自己表現のやり方に、「攻撃的自己表現」というのがあります。率直で直接的な物言いが良いと思っている人に多いようですが、論理的に正しければ相手を論破できると思っている人がやってしまうようです。私も時にやってしまいますが、相手を考えての行動ではないところが大きな問題です。
 次に、これも相手に何も伝わらない意味でもダメなのですが、「非主張的自己表現」というのがあります。何か言いたげな態度や表情をしているのですが、いざ発言を求められると、「いや、特には」というように主張しないようなやり方です。自分もストレスを溜めることになり、相手にもストレスを与えます。
 理想的な自己表現としては、「アサーティブ自己表現」があります。相手を尊重した上で、自分の意見や気持ちを、その場に適切な言い方で表現して伝えるやり方です。その中には、1. 自分はどうしたいのかという思い  2. 相手と共有する事実や状況を伝える  3. 提案を具体的に述べる の3つのポイントが含まれるのが良いようです。 
 ドラえもんの登場人物で言うと、遊びに誘われたときに、ある理由があって遊べないということを伝える時に…
 ジャイアンなら、「おまえたちだけで、勝手に遊べ」という言い方をしそうです。これは「攻撃的自己表現」になります。
 のび太君なら「今日は遊べないんだ」とうつむき加減で言うでしょう。これは、「非主張的自己表現」にあたります。
 しずかちゃんなら、「ピアノのおけいこがあるから遊べないけど、また誘ってね」と言うように思います。この表現には、遊べない…遊びたいという自分の思い ピアノが…相手に事実を伝える また誘ってね…また遊ぶという提案 の3つの要素が入っており、しっかりと自分の主張が相手に伝わります。この「アサーティブ自己表現」を意識することで、コミュニケーション力は上達しそうです。 
 本当に、相手に自分の思いを伝えることは難しいとよく感じます。 大きな組織、人数が多い組織になればなるほど、これは困難になり、トラブルにつながる確率が上昇します。 気をつけてかなり意識して対応もするのですが、やはり伝わらないこともよくあります。 これも難しい問題ですね〜 ty


社会人・仕事・大人(Part 1)
 我々医師は、就職活動もほとんどしませんし、入社時の研修もほとんどありませんので、社会常識を学ぶ機会がかなり少ない部類に入ります。「社会人として求められること」「仕事で大切なこと」「大人らしさ」などを本で勉強したこと…ではありますが、それに少し自分の意見も入れながらシリーズで紹介したいと思います。(今まで、書いたことと重なる部分は多くあります)特に、若い人へのメッセージとして書こうと思いますが、自分自身でも再認識するためでもあります。
 まず1回目は、組織の中で働くこと、すなわち仕事に関する考え方の基本を紹介します。仕事(特にサービス業で)のコツは、『期待を上回ること』を常に意識することです。そのためには、自分に「何が期待されているのか」を常に考えて、感じ取る必要があります。同僚、先輩、コメディカル、患者さんなどから何を期待されているのか?を感じ取ってください。これが、できていない人を時々見かけますが、やはりクレームの矛先はそこに向かっていき、大きな問題につながっていくこともあります。 
 そして、繰り返しになりますが、「期待されたことを少し上回る」結果を最低限の目標にして、何でも取り組んでいけば、常に周囲に満足を与えられますし、快適に仕事ができます。そして、自分自身も成長できる環境が手に入ります。
 この事は、様々な本に、表現を変えて書かれており、『誰かの期待に応えること』の大切さ…とか、「与えられた役割(期待)を認識し、それに応える働き方をする」…とか表現されています。つまりは、組織の中で「仕事ができる人」と「できない人」の差は、この『自分の役割』をまず認識できており、その期待を少し上回る達成度で仕事をやりきれるかどうかにかかっていることになります。この積み重ねが、大きな期待に応えることにつながり、組織・社会に大きく貢献できるチャンスにつながっていく…ということです。
 ここまでが、新人を含めた全ての人に当てはまることです。ここからは、私の意見になります。この期待に応えることのみを意識しすぎると、バランスを取るのが旨い便利屋に成り下がってしまいます。そして、自分の(本当に)やりたいことが出来ない状態で、年齢のみを重ねて、人当たりの良い大人としての対応ができる常識人にはなれますが、それだけです(世間的にはこのような人は貴重ですし、こういう人が(いわゆる世間的に)出世する訳です)。アドバイスとしては、「期待に応える(上回る)ことは最低限として対応し、その中でも自分のしたいことも大切にして守ること」です(バランスが難しいし、守りきれなくなっていくことも多いです)。残念ながら「自分のしたいこと」を優先しすぎて、この最低限の期待に応えられずに、評価を下げてしまう人を見かけます。気をつけましょう。…でも、これまた個人的には、予想外の大成功をつかむためには、「期待(期待というのは予想される範囲での成功でしかない)」に応えるようでは駄目で、とんでもなく突っ走る人も必要ではないか…とも思っています。答えが出しにくい難しい問題ですね〜。 ty