教官のつぶやき+近況<研究、診療、教育、医局>
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勘違いに注意
 恐ろしい勘違いなのか、意図なのか? 〜ネットという医師用の情報提供サイトで、びっくりするほどの勘違い?を見つけました。
眼科の手術時の抗凝固薬の選択(NOACかワルファリンか、どちらに出血が少ないか?)に関しての研究論文の解説のタイトルで『新規経口抗凝固薬、眼内出血リスクはワルファリンの5分の1』と書いてあったので、びっくりしてデータをみたら、なんとrisk reductionが22%で大きな差がないという結果でした。 このタイトルからは、出血が約20%に減少したのかと思ってしまいますので、どのようにしたらこのタイトルになるのか教えて欲しいくらいです。好意的に考えると、約22%の減少→約5分の1の減少→約5分の1に減少…と脳の中で誤って誘導されたと思いたいのですが。 システムとして、一人の人の勘違いを反映して記事になり公開されるなら、問題や危険性も感じます。 
 もう少ししたら、AI (Artificial Intelligence)が発表される大量の論文の中から、この論文を選びだして、自ら記事を書いて公開しているかもしれません(今はまだないと思いますが、この記事がそんなんなら、かなり恐怖を感じますね)。 
 このサイトの名前の「〜」のところは、日本語で「関心」という意味と「心配」という意味がありますが、後者になってしまいます。 
まあ、私もたまに(まだ、たまに…と思っていますが、もしかしたらもっと多いかも?)やってしまいますが、勘違い(思い込み)はあります。また、attractiveにプレゼンするために工夫するのは当たり前かと思いますので、多少の誇張も仕方ありません。しかし、情報を受け取る方も、二次情報には十分気をつけたいものです。 ty

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Y電機とKデンキ
 経営戦略を見ると、その企業のポリシー、もうけと生き残りの戦略がみえて、勉強になります。「アフターサービス満足度ランキング」というのがあり、2012年度の結果を見ると、Y電機は、ワースト企業10位にランクインします。一方、Kデンキはいつもベスト企業10位にはいる、アフターケアの良い企業という評価になっています。
 では、売り上げ(年商)はどうでしょうか?Y電機が10年以上一位で、Kデンキ(3位)の2倍以上とまったく相手になっていません(2位はBカメラですが、それでもY電機の約半分)。Y電機の戦略は、アフターケアを軽視して、とにかく価格競争で他に負けない戦略で売り上げを伸ばして勝っていると言えます。いずれにしても、利用者は、そのサービスの内容が自分にあっているのかどうか(値段なのか、アフターサービスも求めるのか)をしっかり理解して選択をすれば良いということです。
 シャープの経営が危ないことは、みなさんご存知だとと思いますが、実はシャープはエアコン、洗濯乾燥機、薄型テレビ、HDDレコーダーなどの部門で、アフターサービスNo.1の評価を受けています。これらの事象を見ていても、興味深いというか、何が正しいのか?分からなくなってきませんか。しかし、これらの事実は、いくらかのことを我々に教えてくれます。
「顧客満足度最大化を目指すことが、必ずしもベストではない」
 シャープが、品質とアフターサービスに力を注いだのかも知れませんが、日本では品質は良いのが当りまえで、ほとんど売りになっていなかったということです。
 どう売るか?どのように知られたいのか?どういう評価が欲しいのか?というのは、どの世界でも難しいものです。でも、個人的には、「日本的な」Kデンキやシャープのような生き方をしたいと考えますし、結果(数字)だけもとめるY電機のようなやり方は、あまり好きではありません(でも結果が全てなのかも知れません)。 ty


数字にだまされない ー家は買うのがよいか借りるのがよいかー
 よく住居に関して、「賃貸」が良いのか、「購入」がよいのかというような話しがありますが、これは人それぞれである(転勤の多い仕事か?とかマイホームを持つ事が夢であるとか…によって異なる)のは間違いないです。しかし、もし購入を考えるときの一つの法則を紹介しておきましょう(これは、あくまで資産としての価値を評価する一つの方法でしかないのですが、結構有名なので色々な本に紹介されています)。
 マイホームとして検討した物件(中古物件)の、まずは借りた場合の家賃(想定家賃)の情報を調査します。そして、想定家賃x200倍の計算をして、その値段よりも安ければ、それは失敗しにくいマイホーム購入価格ということになります(家賃200倍の法則)。これは「利回り6%の法則」とも呼ばれ、もし転居せざるを得なくなり人に貸した場合にでも、ローンを支払いながらでもおそらく損をしないくらいの維持がなんとかできる価格であるということらしいです。すなわち、家賃が10万円の物件であれば、10万円x200倍の2000万円であれば、損な買い物ではないという計算になります。2000万円で購入して、年間家賃収入が120万円ということは、120/2000=6%という計算で、利回り6%(の法則)となり、これならローン返済がこの中でできるということになるそうです(本当の不動産投資で儲けようという場合はもっと利回りがよくないとうまくいかないのは当然です)。こういう話しは、リート(REIT;不動産投資)関連の本には書いていると思いますので、興味のある人は勉強してみてください。ちなみに、私はこの分野は詳しくないのでこれ以上のことは知りません。

数字にだまされない ー平和で豊かだが景気の悪い日本 そこで生きるということー
 よく景気が良いとか悪いとか言われますが、これを定量する指標は「国内総生産 GDP」です。国内で生み出す価値が経済の規模を表し、これが増加すれば好景気(プラス成長)で、低下すれば不景気(マイナス成長)となります。
 さらに、GDPは何によって規定されるかを知っていれば、政治公約ででてくる景気刺激策とはどのようなものかが理解できます。 
  GDP  =   [消費] +   [投資] +  [政府の公的需要] +  [輸出—輸入]
 500兆円 =  300兆円 + 80兆円  +   100兆円    + 20兆円
という数字が日本のおおまかな現状で、景気刺激(景気を良くする)策としては、「消費を上げる」「企業などの設備投資を増やす」「政府主導の公共投資を増やす(箱ものは増やして欲しくないですが)」「輸出を増やす」という努力をするしかないということです。
 最近は、円高で外国に商品が売れにくくなり貿易赤字なので、最後の[輸出—輸入]はマイナスになっています。だから、政治が直接関与できるのは[政府の公的需要]の増加なので、また公共投資を増やすようなことを言っている政党があるわけです。もちろん、政策によって[消費]や[投資]を増やすことも考えるわけですし、円高や円安を操作することで貿易赤字を減らすという手もあります。デフレのままでは、給料も減って、消費も減るので成長率を1~3%で[消費]を増やそうということになるわけです(そう、うまくはいかないですが)。
 日本のGDPは2010年に中国に抜かれて、3位になりました(1位はダントツで米国です)。国民1人当たりのGDPは、2000年には世界で3位でしたが、現在は17位になっています(それでも、1人当たりでは韓国の2倍、中国の8倍です)。
 貧しい時代には、とにかく豊かになりたいからがんばろうと思う事は難しくなかったわけですが、豊かになった後も意欲を維持することは容易ではありません。日本は、高度成長の後にも、目標を大きく変えずに同じ様なアプローチ(努力)を続けたために停滞しているのだと考えられています。先週から始まった就活(就職活動)を見ていても、とにかく昔ながらの大企業に入って、そのまま安泰に過ごす….という選択肢を選ぼうと、みんなが必死であることに気付きます。いつも言われることですが、10年程度で人気就職ランキングは大きく変わることが分かっています。JALも復活しているとはいえ、一度経営破綻しましたし、パナソニックも今年度は立て直せるか?というほどの大赤字であり、とにかく安泰などあり得ないということは自明です。
 先日の日本経済新聞の広告/企画(未来面)で、渡 文明さん(JXホールディングス相談役)の話しが掲載されており、「変える力を持つ人材をどうつくるか?」というテーマが取り上げられていました。「安泰でない生き方を選ぼう」というメッセージも書かれており、今からは「変える力を持つ」「“一生安泰”的な選択肢ではないアプローチをする」ことが日本を変える原動力になるのではないか?というような話題でした。
 組織が存在するためには、常にイノベーションが必要と言われますが、厳しい時代に、「自分が変わって」「周りも変えられる」人が求められていると感じます。私自身も考えますが、若いみなさんが「自ら変わって」、そういう人材/存在になってください。 ty


数字にだまされない ー選挙公約などで色々な数字がでてきますー
 最近、公務員ではないですが同等の扱いを受ける我々のような大学の教員の給料が、公務員に準じて8%程度削減されています。確かに、元々たいした給料ではないので、8%削減もたいした額ではないとは言うものの、やはり気になります。おそらく、なし崩し的に給料は減る方向に向かって行くことでしょう。
 今の日本の経済状態(マイナス成長)を考えても、致し方ないとも思えますが、motivationを落とす人も増えてくることは間違いありません。長い目で見ると、この組織に所属する魅力がさらに減弱し、優秀な人材が減っていくことは自明です。こういう公的組織には、経営者がいないので、何でも国の言うがままになるのも仕方ないのかも知れません。お金がない国は、教育や医療に十分に対応できなくなっていきますが、その一端が見えていると思います。
 また、この給料削減に対しての職員の反対アンケートの結果を見て、時代錯誤をしている人が多いことにも気付きました。「がんばっているのに、給料が上がっていかないのはおかしい….」というようなコメントでした。確かに、一昔前の感覚では、同じ組織に所属して、真面目に働いておれば(手取りの)給料は右肩上がりで上がるのは保証されていました。現在は、その常識はおそらく通用しないと考えられます。現在の政治的な決定事項としても、2017年までは、厚生年金保険料の給料に占める%は一定に増加していくことが決定しています(現在は、8%強が2017年には9.15%となる)ので、その分の手取り給料は減ることが決まっています(年金を貰う立場の人も、支給額は減る事が決定しています)。さらに、その後もその掛け率が下がることはあり得ませんし、間違いなく上がります。消費税率が下がる事があり得ないのと同じように、給料から天引きされる額が減る事はないということは自明です(ある本によると、将来は給料額面の50%が税金と年金と医療保険などの社会保障の費用で天引きされる計算になるようです)。働くことに真面目であることは、大変重要なことではあるのですが、昔の常識で物事を捉えたり、考えたりすると、全くうまくいかないことも自覚していく必要があります。
 選挙を前に、JMN党のABさんが公約に「成長率3%」を掲げられました。(ちなみに、中国の新リーダーは、年間7%成長で、10年で所得を倍増させる目標を打ち立てていました。昔の田中角栄さんの所得倍増計画みたいなものです。)目標は高い方が良いのですが、こうなればどのようなことが予想されるでしょうか?簡単に言うと、物価も給料も年間3%の増加を目指しましょうというような意味です。そうなれば、消費も増えるし、税金も増加して国の予算も大きくなって、さらに景気対策をして….避けて欲しいですが、昔のJMN党の政策方針であった道路・箱もの行政に戻すということなのでしょうか? しかし、そううまくはいかないことも事実で、国の立場から言うと、国債(国の借金)の利率も上がるので、税収に占める利子返済額と借金返済額がかなり増加してしまいます(もし、1%利率が上がると、利子返済だけで税収が全て吹っ飛びます)。借金返済不能と他国に判断されると、理論的に国は破綻し、“円”の値打ちはガタ落ちして、みなさんが貯めているお金の値打ちも無くなってしまいます(超インフレになり、昔に他国であったようにコーヒー1杯が100万円になってしまいます)。そんなことになれば、世界の経済はどの様になるのか予想不可能で、ギリシャ経済危機やリーマンショックどころでなく、とんでもないことになるでしょう。よって、早く借金返済計画をたてないといけないことは自明です。日本人は、真剣に「痛み」をどのように「現在いるみんな」で分けていくかを決めていかないといけないということをもっと自覚すべきだということです。特に若い人達は、これを真剣に考えないと、自分達(もしくはさらに次の世代)が負担を強いられようとしていることに、気付くべきです。忙しいので、考えられない….考えても、わからない….自分が何を考えても、何も変わらない…と思っていると、本当に不利益を被ります。私を含めて、みなさんは非常に不安定な、世界で最も借金の多い国に住んでいるのですから。 ty